「記憶喪失になったぼくが見た世界」坪倉優介著

公開日: 更新日:

 大学1年生のときに、事故ですべての記憶や知識を失った著者が、草木染作家として独立するまでの12年間をつづったノンフィクション。

 事故後、10日で覚醒したものの以前の記憶だけではなく、言葉や知覚の記憶などすべてを失い、生まれたての赤ん坊の状態になってしまった著者。手をひっぱられ、やわらかいものに座らされると、突然世界が動き出した。上を見ると細い3本の線がついてくる。見とれていると、風景が止まり、外に連れだされ大きな物の前に連れていかれる。どうしていいのか迷っていると「ここがゆうすけのおうちやで」と言われるが、なんのことか分からない。

 退院初日から、こうして世界を一から獲得していく過程をみずみずしい言葉遣いでつづる。

(朝日新聞出版 560円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも