「生きのびるマンション」山岡淳一郎著

公開日: 更新日:

 日本では今、多くの分譲マンションが「建物の老朽化」と「住民の高齢化」という「二つの老い」に直面している。一方でマンションは「私」の自由と、「共同体」の役務を少し重ね合わせれば「楽園」に変わる潜在力を秘めていると著者は言う。

 本書は、マンションを取り巻く現実と、「楽園」に転じた例などを紹介しながら、「二つの老い」を克服するためにどうすればよいかを提言する住まいのテキスト。

 認知症の居住者への対応、持ち主が判明しない空室の相続住居の処分など管理組合が直面しているさまざまな問題を取り上げ、スラム化と楽園化の分岐点を考える。他にも修繕積立金を狙い管理組合を欺く業界内の「談合・リベート」の実態や、タワーマンションを巡る不都合な真実など。マンション居住者必読の書。

 (岩波書店 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも