「生きのびるマンション」山岡淳一郎著

公開日: 更新日:

 日本では今、多くの分譲マンションが「建物の老朽化」と「住民の高齢化」という「二つの老い」に直面している。一方でマンションは「私」の自由と、「共同体」の役務を少し重ね合わせれば「楽園」に変わる潜在力を秘めていると著者は言う。

 本書は、マンションを取り巻く現実と、「楽園」に転じた例などを紹介しながら、「二つの老い」を克服するためにどうすればよいかを提言する住まいのテキスト。

 認知症の居住者への対応、持ち主が判明しない空室の相続住居の処分など管理組合が直面しているさまざまな問題を取り上げ、スラム化と楽園化の分岐点を考える。他にも修繕積立金を狙い管理組合を欺く業界内の「談合・リベート」の実態や、タワーマンションを巡る不都合な真実など。マンション居住者必読の書。

 (岩波書店 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然