「ユー・アー・ヒア」ニコラス・クレイン著白川貴子訳

公開日: 更新日:

 紀元前1900年ごろの中国には、最古の夏王朝を開いたという禹王がいた。実在したかどうかは不確かだが、禹王は「治水の神」としてあがめられている。中国の研究者チームは、地震による地滑りで天然のダムが決壊して大洪水になった時、禹王が治水工事を行ったと考え、その痕跡を調査した。ダムの決壊により11~16立方キロメートルの水が放出され、それは2000キロ以上先の下流まで流れ込むほどの凄まじい水流だった。

 禹王の業績は、1000年後に編さんされた「禹貢」に記され、1865年にスコットランド出身のジェームズ・レッグによって翻訳された。

 イギリスの紀行家で、王立地理協会の前会長が「地理学」のさまざまなトピックをつづる。

(早川書房 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 2

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  3. 3

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  1. 6

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  2. 7

    日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧

  3. 8

    米倉涼子の薬物逮捕は考えにくいが…業界が一斉に彼女から手を引き始めた

  4. 9

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  5. 10

    影山雅永JFA技術委員長の“児童ポルノ逮捕”で「森保監督がホッとしている情報」の深層