「グッドバイ」朝井まかて著

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 主人公は、幕末の長崎で菜種油を商う大浦屋の女主人・お希以。幼いときに母を亡くし、入り婿の父親とその後来た新しい母に育てられていたが、12歳のときに大黒柱だった祖父も亡くしてしまう。その後起きた大火事で父と母が失踪し、たったひとり残されてしまったため、姉のお多恵の嫁ぎ先に身を寄せながら、番頭の弥右衛門と共に大浦屋を立て直したという経歴の持ち主だ。

 当初家を継ぐために婿を迎えたものの、祝言を挙げて間もなく甲斐性なしだと見抜いて即離縁。女手ひとつで店を守ってきたのだ。あるとき、イギリスで茶葉が不足しているということを聞きつけ、お希以は今まで男たちがつくってきた商いのしがらみを打破すべく動きだすが……。

 2008年に小説現代長編新人賞を受賞しデビューして以来、直木賞や司馬遼太郎賞などを総なめにしてきた実力派の著者の最新作。本書は、幕末から明治にかけて世界を相手に商いをした大浦慶の生涯を描いた歴史小説だ。

 日本茶貿易の先駆者として財を成し、坂本龍馬や岩崎弥太郎とも交流があったとされる女商人の波瀾万丈の人生をダイナミックに描いている。

(朝日新聞出版 1600円+税)

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