「『お迎え』体験」河原正典著
死が迫った終末期患者が、すでに亡くなっている配偶者や両親ら故人や通常見ることができない事物を見る「お迎え」体験。これまで在宅緩和医療医として多くの患者を自宅でみとってきた著者らの調査によると、亡くなった患者の約4割が「お迎え」を経験しているという。
お迎え体験が死にゆく人たちの多くに訪れる共通した体験であることに気づいたのは、著者が勤務する在宅緩和ケアの専門クリニックを開設した岡部健医師(故人)だった。岡部氏が注目し、著者らが引き継いだお迎え体験の調査・研究の成果を紹介しながら、誰もが免れぬ死について考察したリポート。
さまざまな事例を紹介しながら、お迎え体験が患者にとってポジティブな側面を持つことが多いことを明らかにする。
(宝島社 880円+税)