「死ねない時代の哲学」村上陽一郎著

公開日: 更新日:

 世界有数の長寿社会を実現した日本はいま、「価値観の転換というべきもの」に直面していると著者は指摘する。それは死についてだ。5年後には高齢者率が約30%という超超高齢社会に突入し、「なかなか死ねない」という意識が共有され、ボディーブローのように社会全体に効いてくるのではないかという。そんな「百寿社会」を生きる私たちが、自らの死を考えるための手引書。

 自宅死から病院死に変わったことによる死の社会相や、生活習慣病がもたらした医療と患者との関係など、病気と死をめぐる世の中の変化を解説。一方で、日本人の死生観や尊厳死・安楽死、終末医療など、現在の死を取り巻く環境について詳述しながら、自らの死について考える道標を示す。

(文藝春秋 850円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃