「ジョージ・オーウェル」川端康雄著

公開日: 更新日:

動物農場」や「一九八四年」などで知られる英国人作家ジョージ・オーウェルは、東西冷戦期に米国がその作品を冷戦プロパガンダの材料に用いたため、当時は「反ソ・反共」の作家として認識され、敬遠されていた。

 しかし、1980年代のブームを経て、今改めて個人の自由の制限や監視社会化に警鐘を鳴らした人物として世界中で再評価されている。

 その作品が、政権の数に任せた横暴や、反民主主義的傾向の増大、新自由主義経済の弊害など、現代の私たちの身近な世界の危機を表現しているからだ。

 1903年に生まれ、結核によってわずか46歳でこの世を去ったオーウェルの人生の軌跡とその作品群をたどりながら、その思想や行動原理に迫る評伝。

(岩波書店 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか