「夫婦幻想」奥田祥子著

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 社会の変化とともに夫婦のかたちも変容したかに見える。しかし、本音の部分では旧来の性規範や性別役割規範にとらわれている男女が少なくないと著者は言う。さまざまな男女を長期にわたって継続的に取材してきた著者による定点観測ルポ。

 2005年、結婚半年後に取材を始めた佐野さんは、メーカーの総合職として家庭と仕事を両立。自らは順調にキャリアアップして課長に昇進するが、子育てに協力的だった夫は子会社に出向させられる。佐野さんは、覇気のない夫に絶望して夫婦の危機を迎えてしまう。

 その他、夫が仕事・妻が専業主婦の役割分業夫婦や、合意のもと子供を持たない恋人夫婦、定年後の熟年離婚など。さまざまなケースを通して夫婦とは何かを考える。

(筑摩書房 880円+税)

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