「夫婦幻想」奥田祥子著

公開日: 更新日:

 社会の変化とともに夫婦のかたちも変容したかに見える。しかし、本音の部分では旧来の性規範や性別役割規範にとらわれている男女が少なくないと著者は言う。さまざまな男女を長期にわたって継続的に取材してきた著者による定点観測ルポ。

 2005年、結婚半年後に取材を始めた佐野さんは、メーカーの総合職として家庭と仕事を両立。自らは順調にキャリアアップして課長に昇進するが、子育てに協力的だった夫は子会社に出向させられる。佐野さんは、覇気のない夫に絶望して夫婦の危機を迎えてしまう。

 その他、夫が仕事・妻が専業主婦の役割分業夫婦や、合意のもと子供を持たない恋人夫婦、定年後の熟年離婚など。さまざまなケースを通して夫婦とは何かを考える。

(筑摩書房 880円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"