「オランダ宿の娘」葉室麟著

公開日: 更新日:

 文政5年3月、オランダ商館長ブロムホフ一行が江戸参府のため長崎屋に到着。長崎屋は、何代も続くオランダ使節の定宿で、主人の源右衛門には15歳のるんと、13歳の美鶴という2人の娘がいる。

 一行の中に青い目をした少年がいた。少年は、帰国した先代商館長と遊女の間に生まれた丈吉だった。丈吉は、るんたちが知人のために万病に効く薬テリアカを探していると知り、清国の商人が持ち込んだテリアカが回船問屋の会津屋にあると伝える。会津屋の主人・八右衛門を訪ねると、薬の入手にはカルロス銀貨が必要だという。

 後日、元長崎奉行の遠山から譲られた銀貨を持って会津屋を再訪したるんらは、番頭殺しの現場に居合わせてしまう。

 史実を盛り込んだ迫真の時代ミステリー。

(早川書房 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑