「絵師の魂 渓斎英泉」増田晶文著

公開日: 更新日:

 文政4(1821)年、売り出し中の浮世絵師・渓斎英泉の美人画は本屋に並ぶと同時に人だかりができるほどの人気ぶり。

 気をよくした英泉は、付き合いのある版元を招き、深川仲町の料亭で宴会を催す。その宴に英泉が私淑する葛飾北斎が姿を見せる。

 軽輩ながら武家の嫡男として生まれ、一度は武家を継いだ英泉だが、上役とのいさかいがもとで職を追われる。3人の妹を養うために、春画を描き始めたが、売れない日々が続く中、売り込み先の版元で出会ったのが北斎だった。画力を認められ、北斎の下で絵を描くようになった英泉は、ここ最近、ようやく、美人画が売れるようになったのだ。だが、思い描く美人画にはまだ到達できない。

 凄艶な美人画で江戸っ子たちをトリコにした浮世絵師の生涯を描く長編時代小説。

(草思社 1078円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 2

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  5. 5

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  1. 6

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 8

    「これが寝るってことだ」と感激…女優の岡崎友紀さん変形性股関節症との苦闘

  4. 9

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  5. 10

    公然わいせつ容疑で逮捕→釈放も“連帯責任”…Aぇ! group草間リチャード敬太の芸能界復帰はイバラの道