「うかれ十郎兵衛」吉森大祐著

公開日: 更新日:

 寛政5年に出された奢侈禁止令のため、江戸の芝居町は客足が減り、官許を受けた3軒の芝居小屋のうち2軒がつぶれた。すぐさま仮興行のため許可を受けた都座の座主・都伝内は、芝居好きの金主、耕書堂を伴って、狂言作者・並木五瓶のもとへ。

 五瓶の文机に何やら絵図のようなものが散らばっているのに気づいて、「それは何ですか?」と聞くと、衣装方、看板方、書割組に渡す指図絵だという。芝居の設定にしたがって、主役から端役のひとりひとりまで、動き出しそうなほどそっくりに描かれていた。

 江戸の出版プロデューサー、蔦屋重三郎が送り出した東洲斎写楽や山東京伝ら、戯作者や絵師の人生を描く短編集。

(講談社 1650円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか