「南極の氷に何が起きているか」杉山慎著

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 南極大陸を覆う氷床の面積は日本の約40倍。厚さは平均2000メートル、場所によって4000メートルを超え、すべてが解けたら、地球の「海水準」(陸地に対する海水面の高さ)は、約60メートルも上昇する。

 かつては多くの関係者が温暖化の影響で南極の氷床が解け始めることなどないと信じていた。しかし、観測技術の飛躍的向上によって、南極氷床はこれまで考えられていたよりもはるかに急激な変化を遂げていることが明らかになったという。氷床融解は、海水準の上昇だけでなく、海水の塩分と密度が変化して海洋の循環を滞らせ、地球全体に熱を輸送する海洋循環が滞れば、気候と環境への影響は計り知れない。

 本書は、南極氷床の観測の実際から、最新の研究成果までを解説してくれる科学テキスト。

(中央公論新社 946円)

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