「南極の氷に何が起きているか」杉山慎著

公開日: 更新日:

 南極大陸を覆う氷床の面積は日本の約40倍。厚さは平均2000メートル、場所によって4000メートルを超え、すべてが解けたら、地球の「海水準」(陸地に対する海水面の高さ)は、約60メートルも上昇する。

 かつては多くの関係者が温暖化の影響で南極の氷床が解け始めることなどないと信じていた。しかし、観測技術の飛躍的向上によって、南極氷床はこれまで考えられていたよりもはるかに急激な変化を遂げていることが明らかになったという。氷床融解は、海水準の上昇だけでなく、海水の塩分と密度が変化して海洋の循環を滞らせ、地球全体に熱を輸送する海洋循環が滞れば、気候と環境への影響は計り知れない。

 本書は、南極氷床の観測の実際から、最新の研究成果までを解説してくれる科学テキスト。

(中央公論新社 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 4

    日テレ退職の豊田順子アナが定年&再雇用をスルーした事情…ベテラン局アナ「セカンドキャリア」の明と暗

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    フジ・メディアHD株主総会間近…328億円赤字でも「まだマシ」と思える系列ローカル局の“干上がり”ぶり