「新種の発見」岡西政典著

公開日: 更新日:

 生物の新種発見は、実は珍しいことではなく、1年に2万種近くもあるという。現在、地球上で名前が付けられている生物は180万種以上。未知種は少なくともその倍以上、人によっては1億種と見積もる専門家もおり、生物の多様性は推定すらできないそうだ。

 そもそも分類学とは、未知の生物に名前を与え、系統樹のなかに位置づけ、科学の対象へと引き上げる学問分野。分類されることで私たちは新たな生物を認識できるようになる。

 本書は、その知られざる動物分類学の世界を案内してくれる科学テキスト。著者が発見したテヅルモヅルの新種などを例に、新種発見のプロセスを紹介するなど分類学の基本を解説。さらに最新の研究成果を交えながら各学者たちの取り組みや、分類学の未来を語る。

(中央公論新社 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?