「みゃーこ湯のトタンくん」 スケラッコ著

公開日: 更新日:

 オレの名はハラ。街の小さな銭湯みゃーこ湯で働いている。ここは昔ながらの銭湯で、薪をくべたり掃除をしたりと大忙しだが、平和な毎日だ。ただし、人間は自分だけでその他はみな猫だけど……。

 始まりは1カ月前。雨の中、みゃーこ湯の前で倒れていたオレを助けてくれたのが、飼い猫のトタンだった。トタンのことは覚えていたが、自分が誰なのかも含め、何も思い出せない。そんなオレに、このネコの街で銭湯の主人を務めるトタンが一緒に働かないかと言ってくれたのだ。

 やってくるのはほとんどが常連客(猫)だ。一番風呂のジン、銭湯巡りが趣味のチャータ、最近では黒猫の中学生のまめちゃん、大学生のアランくんもやってくるようになった。入浴前はブラッシングをし、かけ湯をしてから入浴のルールも、皆きちんと守っている。

 ある日、銭湯で開催したマルシェの一角で占い師のはてなさんにオレも見てもらう。すると「あなたはここにいるべきなのかしら?」と。そしてヘビのおもちゃを見た途端、オレは……。

 銭湯のモデルは滋賀県にある都湯。銭湯での仕事や愉快な登場人物が織りなす、銭湯×ネコ×小商いの日常を描く、心も体もあたたまる銭湯ネコマンガだ。

(ミシマ社 1650円)

【連載】コミックエッセーで読む「猫のいる生活」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か