「ファイナル・ツイスト」ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳

公開日: 更新日:

 懸賞金ハンターの名探偵コルター・ショウが、ある隠れ家に足を踏み入れるところから物語は始まる。

 彼の父アシュトンは、民間諜報企業ブラックブリッジが進めていた都市部活用構想というプロジェクトを調査中に不可解な死を遂げており、ショウは父の残した手がかりを元にこの隠れ家にたどり着いたのだ。父と共にブラックブリッジの秘密を探っていた仲間たちも次々と変死しており、隠れ家で手がかりを探すショウにもさまざまな罠が待ち受けていた。

 父親から伝授されたサバイバルの掟を胸に常に危険を察知しながら調査するショウは、ついに父が調べていた陰謀の核心が100年前の公文書にあることを突き止めたのだが……。

 本書は、1カ所にじっとしていられない流浪の名探偵コルター・ショウが活躍するシリーズ3部作第1期の完結編。第1作「ネヴァー・ゲーム」、第2作「魔の山」で展開された謎がついに回収される。主人公が執拗な妨害を受けながら、断片的な手がかりを元に真実に迫っていくストーリーはスリリング。どんでん返しの魔術師と呼ばれる著者ならではの予想外の展開が楽しめる。

(文藝春秋 2860円)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?