「左利きの言い分」大路直哉著

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「左利きの言い分」大路直哉著

 かつて「左利きは9年も寿命が短い」との学説があったほど、右利き優先社会は左利きの人にストレスがかかっているという。「日本左利き協会」の発起人でもある著者が、左利きの人が社会の生活で直面している現実を解説した問題提起の書。

 左利きの人の割合を日本と世界で比較。さらに、左利きの発現には遺伝や男性ホルモンなど先天的な要因が考えられていることなど、過去現在の研究成果を紹介しながらまずは基本を解説。さらに駅の自動改札機やATMのプッシュボタンなど、日常生活で遭遇する左利きの苦労や、肉体的にも精神的にも「虐待」ともいえる矯正の実態、さらに左利きゆえに結婚が困難な時代があったなどの苦難の歴史まで。

 左利きの現実を紹介しながら、左利きと右利きが共感しあえる社会の実現を提唱。

(PHP研究所 1210円)

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