「ケアしケアされ、生きていく」竹端寛著

公開日: 更新日:

「ケアしケアされ、生きていく」竹端寛著

 ケアは、「弱者のための特別な営み」ととられがちだが、誰もが周囲からの膨大な「お世話」を受け育ったように、身の回りのそこかしこにケアは存在している。

 大学教員の著者によると、今の大学生はすごく生きづらそうだという。努力すれば報われると言われ続け、一方で周囲の目を気にせずにしたいことをするのは「わがままだ」と思い、必死に取り繕っている。それは弱肉強食的な現代社会に順応するにはもってこいの生き方だが、そこには自分のありのままを大切にする「自分へのケア」という大切なことが欠けたままだという。

 各自の唯一無二性を大切にしながら「他者の他者性」を尊重し、つながっていく「ケア中心の社会」への転換の方法を模索する社会問題提起の書。

(筑摩書房 946円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了