著者のコラム一覧
梶よう子

東京都生まれ。2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年「一朝の夢」で松本清張賞受賞。16年「ヨイ豊」で直木賞候補、歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。23年「広重ぶるう」で新田次郎賞受賞。近著に「雨露」ほか。

(7)死化粧はあたしの仕事だから

公開日: 更新日:
イラスト・中島梨絵

 さらに角屋は、役者も立ち寄る店として、若い娘から年増までが店前でたむろすことでも有名だった。自分の贔屓を見つけるや、大騒動になるという。

「年増が役者さんを囲んじゃうのよ。若い娘が隙間に入ろうものなら、物凄い形相で睨むの」

 丸顔のお民は眼と鼻と口を一か所に集めるよ…

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