著者のコラム一覧
梶よう子

東京都生まれ。2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞を受賞。08年「一朝の夢」で松本清張賞受賞。16年「ヨイ豊」で直木賞候補、歴史時代作家クラブ賞作品賞受賞。23年「広重ぶるう」で新田次郎賞受賞。近著に「雨露」ほか。

(9)白粉はよく溶くことが肝心

公開日: 更新日:
イラスト・中島梨絵

 花台には、撫子が挿された一輪挿し。座敷の角には、牡丹の花模様の手焙り──。

 おちえはため息を吐く。

 うちじゃ、作り物の蓮の花か、樒だもの。地味ったらありゃしない。

「お待たせ」と、化粧道具を入れた乱箱を抱えたお民が身を弾ませながら、戻って来た。水を張った桶… 

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【連載】艶化粧

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