「どろどろの聖人伝」清涼院流水著

公開日: 更新日:

「どろどろの聖人伝」清涼院流水著

 キリスト教の2000年におよぶ歴史の中、膨大な数の聖人が生まれた。英語版の聖人事典には2000人が掲載されているという。

 信徒にとって聖人は、神への「取り次ぎ」が期待できる仲介者だという。彼らは、清らかな人生を貫いたからこそ聖人として尊崇されているのだが、聖人伝にはどろどろとした逸話も多いという。

 例えば、サンタクロース伝説の元になった4世紀の聖人ニコラウスは、教義の対立に決着をつけるための公会議で、口論になった相手側に殴りかかり、議長を務めるローマ皇帝から司教職を剥奪され投獄されたという。

 本書は、聖人崇敬の頂点に立つ聖母マリアから現代のヨハネ・パウロ2世まで聖人たちの逸話を紹介しながら壮大なキリスト教の歴史を解説した面白テキスト。

(朝日新聞出版 891円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景