「ぐつぐつ、お鍋」安野モヨコ、岸本佐知子ほか著

公開日: 更新日:

「ぐつぐつ、お鍋」安野モヨコ、岸本佐知子ほか著

 名文家らの「鍋」料理をテーマにしたエッセーを編んだアンソロジー。

 底の浅い、小さな土鍋は「冬を迎えた私にとって、『何よりの友だち』」と始まる池波正太郎の一文は、魚介や野菜などをこの小鍋で煮ながら食べる「小鍋だて」について。毎夜のごとく続いても飽きることがないと、酒3・水7の割合の汁でアサリのむき身と白菜を煮てポン酢で、鶏肉と焼き豆腐と玉ねぎを固形スープひとつ落として煮るなど、お気に入りの具材と味付けを披露。さらに、終戦直後に手に入れた銅製の小鍋や、小鍋だてを覚えた少年時代の大衆食堂の思い出など、次々と話題が広がる。

 そのほか、宇能鴻一郎が語るアンコウ鍋や、川上弘美のおでんなど。37人がそれぞれ思い入れのある鍋料理について記す。

(河出書房新社 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動