「おいしい食の流行史」阿古真理著

公開日: 更新日:

「おいしい食の流行史」阿古真理著

 飛鳥時代に仏教の禁忌から肉食禁止令が出されて以来、日本では肉食はされていないと思われていたが、実はけっこう食べられていた。

 鎌倉時代にも肉を買う人はいたし、薩摩藩は黒豚の塩漬け肉を徳川家に献上していて、徳川慶喜は「豚将軍」と呼ばれるほど豚肉好きだった。

 明治末から昭和の初め頃には西洋料理が日本人好みの洋食に変化して、カレー、トンカツ、コロッケという「三大洋食」が生まれた。ヨーロッパで生まれたカツレツは、衣をつけた牛肉や鶏肉を揚げ焼きした料理だったが、日本では豚肉が使われ、油で揚げたトンカツになった。

 日本の食を生活史の視点から解き明かす、おもしろネタ満載のエッセー。

(青幻舎 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    一発退場のAぇ!group福本大晴コンプラ違反に「複数人関与」疑惑報道…旧ジャニ“インテリ”枠に敬遠の風向き

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  5. 5

    囁かれていた「Aぇ!group」は「ヤベぇ!group」の悪評判…草間リチャード敬太が公然わいせつ容疑で逮捕の衝撃

  1. 6

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  2. 7

    阪神・才木浩人はドジャース入りで大谷と共闘の現実味…「佐々木朗希より上」の評価まで

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  5. 10

    男子の試合はガラガラ…今年のANAオープンのギャラリー数を知って愕然としました