「祖父・鈴木貫太郎」鈴木道子著、保阪正康監修・解説

公開日: 更新日:

「祖父・鈴木貫太郎」鈴木道子著、保阪正康監修・解説

 鈴木貫太郎は海軍大将で枢密院議長も務めていた。昭和20年、東条英機内閣の後の小磯内閣も倒れ、重臣会議で鈴木に白羽の矢が立った。「軍人は政治に干与せざるべし」という明治天皇の聖論を奉じていた鈴木は固辞したが、昭和天皇に「政治にうとくてもよい。他に人はいない」と懇願され、受けることに。

 陸軍は戦争完遂を条件とし、鈴木はそれをのんだが、家族に「自分はバドリオになるぞ」ともらした。イタリアの軍人、ピエトロ・バドリオはムソリーニ失脚後、首相となり、連合国と休戦条約を結んだが、日本では売国奴と罵られていた。鈴木は家族にだけ終戦の意思を伝えたのだ。

 終戦時の首相の孫が知られざる秘話を語る。 (朝日新聞出版 2090円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  2. 2

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 3

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  4. 4

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  5. 5

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  1. 6

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  2. 7

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  3. 8

    風間俊介の“きゅるるん瞳”、庄司浩平人気もうなぎ上り!《BL苦手》も虜にするテレ東深夜ドラマの“沼り力”

  4. 9

    前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪

  5. 10

    山下美夢有が「素人ゴルファー」の父親の教えでメジャータイトルを取れたワケ