「ほんとうの自分」ミラン・クンデラ著 西永良成訳

公開日: 更新日:

「ほんとうの自分」ミラン・クンデラ著 西永良成訳

 シャンタルは、週末、ノルマンディー海岸の小さな町のホテルで一夜を過ごす。一緒に暮らすジャン=マルクとは翌日、このホテルで落ち合うことになっている。ジャン=マルクはシャンタルに強く勧められ、長年、会うのをやめていたリセ(高等学校)時代の親友Fを見舞う。Fは死の床についていた。ホテルで落ち合ったシャンタルは、いつもの彼女ではなかった。その理由を問いただすと彼女は「男たちがもうあたしを振り返ってくれない」ことが悲しいという。

 そんなある日、シャンタルは「私はスパイのようにあなたのあとをつけています。あなたは美しい、とっても美しい」とだけ書かれた消印もない手紙を受け取る。

 昨年亡くなった著者が、愛し合う男女の心の機微を描いた長編小説。

(集英社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか