「トリックスター群像」井波律子著

公開日: 更新日:

「トリックスター群像」井波律子著

 中国の古典長編小説の物語構造において、トリックスターはなくてはならない存在だという。トリックスターとは、道化や悪戯者、ペテン師などの要素をあわせ持ち、老獪かつ狡猾なトリックを駆使して、既成の秩序にゆさぶりをかけてかく乱するアンチヒーローだ。

 中国神話に登場する体は人間だが蹄があり、4つ目で手が6本の「蚩尤(しゆう)」や、論語の中の、毒性はないが集団の中で際立ってトンチンカンで波紋を呼ぶ孔子の弟子・子路のような存在だ。

 本書は「三国志演義」の曹操や、「西遊記」の孫悟空と猪八戒、沙悟浄の従者トリオをはじめ、「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」の中国5大長編小説において、トリックスターが果たしている役割を考察しながら、その物語世界を解説したテキスト。

(潮出版社 1210円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐藤輝明「三冠王」なら年俸いくら? メジャー流出阻止へ阪神が用意する破格の条件

  2. 2

    りくりゅう“婚約発表”が批判されたのはなぜ? 祝福ムードから一転…交際を「言う/言わない」の境界線

  3. 3

    永瀬廉のファンミに不満の声…King & Prince分裂後の"集金アイドル"活動とちらつく結婚

  4. 4

    金利上昇がもたらす「投資から貯蓄」への流れに政府は真っ青

  5. 5

    阪神・佐藤輝明のドジャース入りに暗雲か? 大谷翔平が思わぬ“遠因”になる可能性

  1. 6

    「橋上代行昇格は絶対ない」 巨人来季監督に浮上する松井秀喜氏、高橋由伸氏に次ぐ「第3の男」

  2. 7

    日本ハム新庄監督「来季続投の6年目突入」に現実味…V逸決定的になる中で注目されるその去就

  3. 8

    中日・井上監督が目下最下位、6年連続Bクラス濃厚でも来季続投に“自信&意欲マンマン”のワケ

  4. 9

    福山雅治「不適切会合」問題ほぼノーダメージでTVジャックのウラ…中居正広氏らとは「次元が違う下ネタ」とは

  5. 10

    内閣広報室の予算要求が前年度比10倍超の72億円に爆増! 高市首相“ヨイショ体制”強化にネット大荒れ