「檜垣澤家の炎上」永嶋恵美著

公開日: 更新日:

「檜垣澤家の炎上」永嶋恵美著

 かな子が小学校に上がる年、母が親戚の家で火事に巻き込まれ急死。父の要吉は明治維新後に財を成した檜垣澤商店の当主で、母はその妾だった。その要吉も卒中の発作で倒れ、家に現れなくなっていた。かな子は横浜にある広大な檜垣澤家の屋敷に引き取られ、寝たきりの要吉の世話をしながら学校に通う。芸者だった母から処世術を学んだかな子は、腹違いの姉や本妻のスヱの機嫌を損ねぬよう立ち回る。

 そんなある日、屋敷の蔵から出火。消火後、蔵から継姉・花の夫・辰市の遺体が見つかる。火事は辰市の失火として処理されるが、2年後、かな子は元女中のトヨから出火前に辰市はすでに蔵の中で死んでいたと教えられる。

 女系一族の中で密かに野心を育てながら成長する少女を主人公に描くミステリー巨編。

(新潮社 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状