「百年の孤独」33万部の異例の大ヒット「文庫化されたときは世界が終わるとき」と噂されるほどの難解さ

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 コロンビアのノーベル文学賞作家・ガブリエル・ガルシア=マルケスの代表作「百年の孤独」(新潮社 1375円)が大ヒットし、話題になっている。今年6月末に文庫が発売されると、発行部数は33万部を突破。通常3万部でヒットといわれる海外文学で、異例の売り上げを記録している。

百年の孤独」は、架空の村・マコンドを舞台に、村の創始者ホセ・アルカディオ・ブエンディア一族の100年にわたる宿命を描いた一大サーガだ。46の言語で翻訳され、世界中で愛されている。

 しかし、日本では、その難解さから「文庫化されたときは世界が終わるとき」と噂されるほど、一般読者には敷居が高く、難解な海外文学の代名詞だった。海外文学でよくある難点の「登場人物の多さと関係性の複雑さ」に加えて、同作では、同じ名前の登場人物が多数登場してくる。また、死んだ男の亡霊がうろつき、美しい少女が天に昇って消えるなど、現実と空想が入り交じる奇想天外な展開に戸惑う読者も多かった。

 その一方で、文学界においては長く評価され続けてきた。現実に起こり得ない出来事が当たり前に起こる手法は「マジックリアリズム」と呼ばれ、大江健三郎や中上健次らの巨匠から、小川哲らの現代作家まで幅広く影響を与えた。日本での刊行から50年以上経って、この評価が一般読者までようやく浸透したのだ。

 さらに、ネットフリックスによる同作の初の映像化が年内に予定されており、ますます注目が高まると予想される。読むなら、今しかない。

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