「見て楽しむ 江戸時代の暮らしと文化の絵事典」安藤優一郎監修

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「見て楽しむ 江戸時代の暮らしと文化の絵事典」安藤優一郎監修

 蔦重が生きた時代の人々の暮らしや町並みはどのようなものだったのか。

 本書は、浮世絵などの絵画資料をもとに描いたイラストで江戸時代の暮らしと文化を紹介するビジュアルテキスト。

 まずは、蔦重が生きた時代よりも少し後の寛政12(1800)年の江戸の町並みを東岸上空から俯瞰してみる。

 絵の真ん中、上部には富士山を背景にした江戸城がその威風を表し、手前に流れる大川(隅田川)沿いに幕府の米蔵が並んでいた「蔵前」や、推古浅草寺の門前町として栄えた浅草、その近くに蔦重が生まれた吉原がある。

 以降、日本橋を南北に横切る当時のメインストリート「日本橋通り」(現・中央通り)の賑わいや、そこに描かれる「鷹匠」や「習字手習い売り」など、江戸っ子たちが従事していたさまざまな職業に始まり、老若男女のファッション、食事情や年中行事、さらに住宅事情や統治システムまで。

 蔦重がプロデュースした絵師のひとり、葛飾北斎が描いた「耕書堂」の様子を描いた図などもあり、ドラマの副読本に最適。

(成美堂出版 1650円)

【連載】蔦屋重三郎が生きた 江戸の文化・生活を知る本特集

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