「骨を喰む真珠」北沢陶著

公開日: 更新日:

「骨を喰む真珠」北沢陶著

 大正14年、大阪実法新聞の身の上相談欄を担当する新波苑子は奇妙な投書を受け取った。

「私は溺れております 青い家の中で朽ちていきます……」

 差出人は丹邨(にむら)孝太郎。丹邨製薬の社長の息子で、以前、同僚が自宅の訪問記を書いたことがある。投書の封筒の底には、一度切り開いて閉じた形跡があった。苑子は娘に絵を教えるという名目で丹邨家に入り込み、「化け込み記事」を書くことにした。

 丹邨家で引き合わされた孝太郎は震え声で「僕はもう、手遅れなんです。この家から逃げられへん身にされてしもうた」とつぶやく。

 効果は高いが成分不明の薬の秘密を女性記者が探るミステリー。

(KADOKAWA 1925円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情