「大人のブルーハーツ」スージー鈴木著

公開日: 更新日:

「大人のブルーハーツ」スージー鈴木著

 1985年から1989年ごろ、著者ら直撃世代は震えながらブルーハーツの音楽を聴いていた。それから40年近く経ち、恋愛や仕事、成功や失敗など、さまざまな経験を重ねた今は、彼らの音楽に違う震え方をするのだ。

 加えて、大人の視点から彼らの音楽を“再解釈”するだけではなく、令和の大人の問題意識や感性で“新解釈”を著者は試みる。当時の彼らの曲があの時代に対して何を歌っていたのか、そして今の時代に対して何を歌っているのかなど、新たなブルーハーツ像が立ち上がる。あの頃、正直、よく分からなかった「1000のバイオリン」中の“支配者たちはイビキをかいている”という一節は、反権力の精神が薄れる今だからこそ、刺さる言葉なのだ。

 音楽評論家が青春時代の音楽に再び向かい合う。 (廣済堂出版 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ