「火山のふもとで」松家仁之著

公開日: 更新日:

「火山のふもとで」松家仁之著 

 1982年、建築学科を卒業した「ぼく」は、村井俊輔設計事務所に入所する。かねて尊敬する「先生」の建築を自分の目で見て歩くうちに、その仕事の非凡さを肌身で感じ、大学4年の秋、思い余って先生に手紙を書いた。採用の予定はないと言われながらも、先生との面会にこぎつけ、仮採用となったのだ。ほかにも実績のある入所志願者のリストがあったというのに。

 村井設計事務所では、夏になると、浅間山のふもとにある「夏の家」に移動し、合宿生活をしながら仕事に取り組むことになっている。この夏、最大の課題は、事務所にとって10年ぶりの指名コンペへの参加となる国立現代図書館の設計案を詰めてゆくことだった。

 若き建築家のひと夏の経験を静謐な筆致で描く長編小説。 
(新潮社 935円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾