「剛心」木内昇著

公開日: 更新日:

「剛心」木内昇著

 明治19年、官庁集中計画に乗り出した政府は内閣直属の「臨時建設局」を発足。総裁に就いた井上馨は、ドイツ人のヘルマン・エンデに設計監理を依頼。技術を学ぶため設計助手として日本から建築家3人と大工など職人17人がドイツに派遣される。

 米国留学経験がある建築家の妻木頼黄が団長に指名された。ほかの2人の建築家、渡辺と河合には、年下で無口な妻木が何を考えているか分からない。一方で妻木は職人と仕事の話をするときは別人のように饒舌だった。

 数か月後、エンデが当初の計画よりも範囲を縮小して、計画の建物を日比谷練兵場内にすべて収めることにしたと言い出す。話を聞いた妻木は、エンデに異を唱える。

 日本的な美しさを大切にし、赤レンガ倉庫や日本橋などを手掛けた明治の建築家の人生を描く長編。

(集英社 1155円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ