「DRY」原田ひ香著

公開日: 更新日:

 離婚後、パートでぎりぎりの生活を送る藍に弁護士から連絡が入る。母親の孝子が祖母のヤスを切りつけて逮捕され、保釈金100万円が必要だという。実家とはもう10年以上連絡をとっておらず、以前から仲が悪かった母と祖母が再び同居をしていることも知らなかった。藍は入院中のヤスに告訴を取り下げるよう説得するが応じない。仕方なく前夫らから金を工面してようやく保釈金を確保。

 パートをクビになった藍は、退院したヤスと保釈された孝子と実家で同居を始める。幼馴染みの隣家の美代子は、祖母と父を見送り、祖父の介護をしていた。美代子の家に出入りするようになった藍はある日、彼女の秘密を知ってしまう。

 救いのない現実を生きる女性たちを主人公にした戦慄の犯罪小説。

(光文社 814円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態