「すごすぎる天気の図鑑防災の超図鑑」荒木健太郎著
「すごすぎる天気の図鑑防災の超図鑑」荒木健太郎著
今夏も各地で大雨や突風による被害が出たが、大雨や竜巻だけでなく、雷や雹(ひょう)、猛暑に大雪、火山噴火、さらに刻々と切迫性が高まる南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、自然災害が多い日本では、誰もが被災者になる可能性がある。
防災の第一歩は、自然災害の仕組みや、それに対処するための備え、対策について正しい知識を持つことだ。
本書は、その手引となってくれる頼もしいビジュアルガイド。
まずは「大雨・台風への備え」から。
災害をもたらす典型的な雲が積乱雲だ。土砂降りの雷雨だけでなく、連なることで集中豪雨をもたらす線状降水帯を形成したり、南の海で集まることで台風に発達したりする。さらに突風、雹なども積乱雲が原因だ。
雲の中で最も背が高く15キロ以上になるというその積乱雲の仕組みや、積乱雲で発生する3種の突風、雹ができる仕組みなどを分かりやすく解説。
さらに積乱雲による天気の急変を察知するための観望天気(雲や空を見て天気がどう変わるかを予想すること)を伝授。
以降、猛暑や、大雪、海のレジャーで要注意の離岸流、大雪や暴風雪をもたらす南岸低気圧や爆弾低気圧、そして地震や火山噴火まで。災害ごとにその仕組みや対処法について教えてくれる。
暑さ対策グッズのハンディーファンは気温35度以上で使用すると逆に熱中症の危険度が高まるという意外な事実から、ガラスの粉なども交ざっている火山灰が地上に降る「降灰」への備えなど、知っているようで知らない情報も満載。
さらに停電や断水への備え、自宅での備蓄や防災バッグ、避難の判断の仕方のほか、災害後の復旧や支援まで網羅。
「備えあれば……」の第一歩として、まずは本書で知識の備えを万全に。
(KADOKAWA 1485円)