“同類”ゾロゾロ…ゴーストライターはなぜ問題にならない?

公開日: 更新日:

 現代のベートーベンこと、佐村河内守氏のペテン事件で、こんな疑問を感じた人もいるのではないか?
「はて、ゴーストライターを使うタレントや著名人は許されるのか?」

 実はその通りで、「磯野家の相続」の著者で弁護士の長谷川裕雅氏もこう言うのだ。
「自分が買った本が実はゴーストライターの著作であった。だから、金を返せ、という人はいないと思う。文章も作曲も同じです。つまり、佐村河内氏にゴーストがいたとして、法的には何の問題もないし、道徳的にも問題視することは難しい。世の中には著名な料理人が名前だけ貸して、商品化している料理もある。しかし、それがバレたところで、そんなに問題にならないのと一緒です」

 しかし、佐村河内氏の場合、障害者という虚像を売り物にして、商売をした疑いがある。それは購入者を騙したことにならないのか?
「作曲過程を映像化し、それとセットで売っていたのであればともかく、ふつうのCDであれば、法的には問題になりません」

 長谷川氏によると、著作権もゴーストライターが納得して作業をした以上、その時点でゴーストライターの著作権は佐村河内氏に譲渡されたとみなされるという。
「唯一、法的責任が生じるとすれば、佐村河内氏とゴーストの関係をレコード会社も知らなかった場合です。CD回収などの損害を問われることはありえます」

 裏を返せば、佐村河内氏みたいな連中が世の中、ゾロゾロいるということだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」