「御座船安宅丸」演出 森健太郎が語る浅利慶太からの薫陶

公開日: 更新日:

 創設者の浅利慶太氏(83)には、独立した後も影響を受けている。

「舞台人ではじめて企業理念を語った人。もっとも印象に残っているエピソードは、創設当初はお金がなくて、同じく俳優兼創設者の日下武史さんと、一杯のかけそばを分けあって食べて、何駅も歩いて一緒に帰ったりしたそうです。苦労をしていたからこそ、劇団四季は社会的な接点を大事にしていたし、サービス業として徹底していたんだと思います」

 役者が代わっても、同じクオリティーを出すためのルールもあった。

「浅利さんからは『感情で芝居するな』と言われました。舞台の面白さは、台本や音楽の中に込められている。キャストがなんやかんやできることではないと。一字一句、言葉を音として伝えれば感動は伝わる。『一音落とすものは去れ』と教育されていました。人の耳に入りやすい音の中核となる母音で話す『母音法』も学びました。2~3時間もののセリフを全部、母音に直して話すんです。こうすると大きな声を出さなくても、人に届くようになる。他に公演のロングランシステムやチケットシステム(ぴあ導入)なども考案。文化の継承、ビジネスのノウハウなど学ぶことは多かったです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する