批評家が厳選 ゴールデンウィークに見たい“新旧映画DVD”
大型連休とはいうものの、連休直前に「上げやすい景気状況」などと消費増税を口にする財務大臣のせいで、庶民は出かける気力も失せるというもの。とはいえ、もともとゴールデンウイークは映画業界の造語だそうで、ここは初心に帰って新旧のオモシロ映画、DVDを楽しむのはどうだろう。究極の「安・近・短」で心身をリフレッシュ!
■イップ・マン 継承
公開中のイチオシは「イップ・マン 継承」。「ローグ・ワン」などハリウッド大作でも活躍するカンフースター、ドニー・イェンがブルース・リーの師匠イップ・マンを演じる伝記映画。全編ハードアクションの娯楽作だ。小学校の土地売買をめぐる闇勢力の暗躍を描くという、森友学園問題に揺れる日本人が見たらシャレにならないストーリー。だからこそ、ドニーが悪の組織をなぎ倒す姿は最高に痛快。しかも敵組織のボス役はなんとあのマイク・タイソン。現役時よりも巨大なガタイから重量級パンチを放つ、その異種格闘技戦は必見!
■ハゲタカ
息詰まる知能戦を味わうならNHKの人気ドラマの映画版「ハゲタカ」(09年、日本)が見応えがある。いま東芝や日本郵政が海外企業の買収に失敗して、倒産しかねない大損失を出しているが、本作もそのM&Aがテーマ。かつてハゲタカの異名をとった主人公のファンドマネジャーが、中国最強のハゲタカファンドによる敵対的買収から日本企業を守る。金融の裏を知り尽くした者同士の攻防が熱い経済ドラマだ。