映画「グレートウォール」 ハリウッドのみ込む中国マネー
「日本の映画界が逆立ちしても敵わない規模とスケールです」(映画プロデューサー)
万里の長城といえば史上最大の建造物として世界遺産にも登録されているが、それを舞台にした歴史ファンタジー映画「グレートウォール」(公開中)が日本の映画関係者を驚愕させている。
監督は北京五輪開会式も手掛けた中国の巨匠チャン・イーモウ。製作費150億円をかけた米中合作の超大作で、60年に一度襲い来る伝説の怪物、饕餮(とうてつ)を迎え撃つ中国軍の奮戦を描く。主演は「ジェイソン・ボーン」シリーズで知られるハリウッドのアクションスター、マット・デイモンで、彼らの奮闘に人生観を変えられる西洋人傭兵を演じる。その圧倒的スペクタクルについて、映画批評家の前田有一氏がこう語る。
「まさに中国にしかできない、常軌を逸したスケールの大作です。エキストラ500名に大勢のスタントマンを加えた人海戦術というべき大規模な戦闘シーンが特にすごい。地平の彼方まで埋め尽くしそうな数の化け物を相手に、味方が何百人討ち取られようと怯まず突進してゆく。そんな長城守備隊の戦いっぷりに圧倒されます。ちなみに長城はセットですが、映画界の常識ではありえない本物同様のレンガ造りで、ハリウッドのスタッフを仰天させたそうです」