ラオス山岳民族と絆 原田龍二が語る「ウルルン滞在記」

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■「春が来た」「森のくまさん」の合唱に感激

 各国へ行った中で同じ場所へ3回通ったのがモンゴルとラオス。どちらも忘れがたい旅で言葉に表せられないほど現地の人たちにお世話になったのですが、特別な思い出は番組の最終日08年9月放送のラオスの山岳民族・ムチー族の子供たちとの触れ合いです。

 初めて訪れたのは98年10月でした。首都ビエンチャンから山道を車で2日間、さらにボートで川をさかのぼり、山道を8時間歩いてようやくたどり着く標高2000メートル超の雲の上の小さな集落です。タイ、ミャンマーの国境にも近く、かつては世界最大の麻薬密造エリア、ゴールデントライアングルとも呼ばれた危険な場所でした。

 着いてすぐ集落の方と十分なコミュニケーションが取れないうちに、話の流れで6歳から11歳まで18人の子供の先生をすることになりました。本物の先生は1人しかおらず、「実家の稲刈りを手伝いに帰るから、ちょうどよかった」。こんな嘘のようなノリでした。かといって、日本でも先生の経験はないわけですし、知恵を振り絞って算数や「春が来た」「森のくまさん」といった覚えやすいメロディーの日本の童謡を教えました。

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