著者のコラム一覧
片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

反原発ソング発売中止への怒りがタイマーズを誕生させた

公開日: 更新日:

「♪『日本の原発は安全です』 さっぱりわかんねえ 根拠がねえ」

 RCサクセションは1988年8月リリースのアルバム「カバーズ」で反核・反原発を歌い上げた。残念ながら、2011年の東日本大震災で清志郎が危惧した通りの結末を迎えてしまう。

「当時、原発について人々の関心は薄かったと思います。清志郎さんはジャーナリストの広瀬隆の原発関連書籍を熱心に読んでいました」

 清志郎は「カバーズ」からシングルカットしたA面で、エルビス・プレスリーの名曲「ラブ・ミー・テンダー」の甘いメロディーに乗せ、「♪巧みな言葉で一般庶民をだまそうとしても ほんの少しバレてる」と歌い、B面の「サマータイム・ブルース」では、「♪東海地震もそこまで来てる だけどもまだまだ増えていく」と放射能への懸念を伝えた。

 このRCの楽曲がセンセーショナルに取り上げられたのは、所属レコード会社「東芝EMI」(当時)による突然の発売中止だった。東芝EMIは理由について一切押し黙ったが、親会社の東芝の横やりは明らか。東芝は三菱重工、日立製作所と並ぶ原発サプライヤーで、当時すでに10基の原発の建設を手がけていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?