小島一慶さん<5>俳句会講師はお金にならないが 今が楽しい

公開日: 更新日:

 小島さんは今、「東京カルチャーセンター葛西」で2週間に一度、玉藻同人の名で俳句会の講師をしている。生徒の月会費は2回で4320円。あまりお金にはならない。

「一度の句会の準備にどれほどの時間を費やしているのか。恐らく数十時間になるでしょう。このために新宿の俳句文学館にも通っています。今の生活は、何も考えずにモノが買えたり、好きに旅行ができたりする立場にはありませんが、生徒さんたちと交わす会話が無性に心地良いのです」

 今でも伝えたいことは尽きないという。

「アナウンサー人生を振り返って一番悔しかったことは、カンツォーネの貴公子と呼ばれた村上進さんのラストステージでの司会です。村上さんは1994年の夏に46歳の若さで旅立たれましたが、その頃は末期のがんに侵され、やっと歌えるような状態でした。確か3曲ほど歌われたのですが、司会の僕が彼を紹介する際、『皆さん聴いてください。この人にとって最後の歌です』ということは言えるはずもない。ざわめく客席、実際に席を立って帰る人もいました。アナウンサーでありながら、伝えられないもどかしさ。人間は活字にされたり、声で説明されたりすると信じてしまう生き物ですが、真実というのは声が聴こえない、その向こう側にもあるのです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…