甲子園の“勝ち歌”新定番歌う アーティスト成底ゆう子に聞く

公開日: 更新日:

 平成から新元号令和の世になることになったが、これから先もずっと歌い継がれていく“勝ち歌”がある。石垣島出身のシンガーソングライター・成底(なりそこ)ゆう子さん(43)の「ダイナミック琉球」である。

 2017年夏の甲子園だった。アルプススタンドから「♪海よ 祈りの海よ 波の声響く空よ 大地踏み鳴らして叩く 島の太鼓ぬ響き♪」という歌声が響き渡った。選手たちを奮い立たせる歌、スタンドの生徒たちを鼓舞する歌、そして勝利を呼び込む“勝ち歌”として採用する高校が増えていった。これがSNSなどで一気に拡散され、再生回数は約321万回(4月1日現在)を超えてなお、その勢いは一向に止まるところを知らない。「ダイナミック琉球」との出会いなどじっくりと話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ーー高校野球の聖地・甲子園で「ダイナミック琉球」が歌われていることを初めて意識したのは2017年夏の甲子園・仙台育英高(宮城)と広陵(広島)との一戦だった。

「その試合をテレビ観戦していたのですが、多くの友人から『今、ダイナミック琉球が歌われているね。凄いじゃない!』といった連絡が入りました。試合に集中していたせいか、それとも『甲子園で自分の歌が流れるなんて絶対にあり得ない!』と思い込んでいたせいか、私の耳には入ってこなかったのです。せっかく仙台育英高さんが演奏して歌ってくれたのに……。友人たちには『おかしいだろ』と怒られてしまいました」

 ーー2018年の夏の甲子園を制した大阪桐蔭高は、歌詞の「島の太鼓の響き」という一節を「目指せ春夏連覇」に替えて歌っていた。仙台育英は「杜の都の響き」と替えて歌った。地域ごとに「それぞれのダイナミック琉球」が生まれているのが非常に興味深い。

「ライブで歌うと一番盛り上がり、会場がひとつになる感覚でした。その場にいる人たちの<心と心を繋ぐ力を持っている>と感じていました。それにしても『海よ 祈りの海よ……』で始まる歌が、まさか甲子園で歌われるようになるとは……とびっくりしましたが、2011年にリリースして2年くらい前まで再生回数は15万回ほどだったのに一気に300万回越えです。この曲を歌うようになっていろいろな場所で、いろいろな人たちとの<ご縁>も生まれました。とても嬉しく思っています」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動