【特別対談】ひろゆき×吉川圭三 令和時代のエンタメを語る

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 インターネットが革命的に世の中を変えた平成を過ぎ、エンタメ界の価値観も大きく変わった。この時代をどうとらえるか、令和の新時代は何が起こるのか。日本におけるネット界のパイオニア・ひろゆき氏を、たけし、所、さんまのバラエティー番組を作り続けたプロデューサー・吉川圭三氏が直撃した。

  ◇  ◇  ◇

吉川 平成が終わりましたが、ひろゆきさんは平成をどう理解されていますか?

ひろゆき 終戦でもなく、区切りという概念はないですが、何もなかったことが問題ですね。

吉川 リーマン・ショックがあって何も回復できなかったという見方もありますが。

ひろゆき もっと悪くなっていた方が今までのやり方を変えることができたのに、微妙に日本人が優秀なので過去の仕組みを残したままで大丈夫になってしまった。もう自動車会社に投資している場合じゃないと世界は変わっているのに、日本の大企業といえばいまだにトヨタですよね。ソフトウエアのプラットフォームを作って利益を上げようとしているのにまだ変われないばかりか、価値観が変わるタイミングを失ってしまった。

吉川 タイミングとは?

ひろゆき ブログっていう言葉ができた頃、実は、インターネットで利用されるページの言語の70%が日本語だったんです。つまり、日本のシステムが海外進出できる可能性があったんです。ところが逆説的なんですけど、ある程度儲かっちゃうから、それ以上は儲からない。

吉川 儲かるとは?

ひろゆき 日本語のコンテンツはハードルが高くて海外が手を出すことはなく、日本だけでそこそこ売り上げが上がるんです。韓国は人口が少ないから、LINEに代表されるように最初から海外を視野に入れて作る、中国は人口が多いから自国だけで十分。日本は絶妙な規模で楽に儲かるから、結局、国内で削り合ってしまう。

■「コンテンツの面白さはお金で決まる」

吉川 ではエンタメは今後どうなると思いますか? 最近はネット配信が増えていますが。

ひろゆき アメリカの地上波は誰も見ていない。

吉川 CBSとかですか?

ひろゆき 地上波をYouTubeで見ている人が増えてテレビの存在意義がなくなってきています。すると制作資金が減り面白いものが作れないというループになる。

吉川 存在すらなくなると?

ひろゆき なくなりはしないけれど、テレビのライセンスを国からもらっている“ネット企業”になると思います。

吉川 ではネット配信の動画は?

ひろゆき 結局、コンテンツの面白さはお金で決まっちゃうんですよね。「トランスフォーマー」シリーズにしたって中国資本ですし。

吉川 「ミッション:インポッシブル」も中国出資ですしね。

ひろゆき アニメも中国制作なのか日本なのかわからなくなってきています。

吉川 中国の技術も上がってきていますからね。

ひろゆき クールジャパンなんて言ってるのは日本だけで、お金の力には勝てない。SFもCGも他の国に持って行かれて細々と生きるしかないでしょう。新海誠さんのように個人技でものすごい利益率を上げるものはあると思いますが、それ以外は、日本のアニメの手描きの感じが好きとか、カルトなジャンルになるかと思います。

吉川 映画はどうなるのでしょう?

ひろゆき テレビより長持ちするんじゃないでしょうか。Netflixも家のテレビ専用なので、映画館というパッケージに関してはライバルがいない。「ボヘミアン・ラプソディ」のように年に1回は“みんなが好きな”作品が出て、「自分も祭りに参加するか」みたいな形は残ると思います。

吉川 活字はどうでしょう?

ひろゆき 紙の新聞はヤバいんじゃないですか?僕の世代から下の世代では新聞を家で定期購読している人はいない。紙も作ってるネット媒体でないと生き残れないでしょうね。

吉川 確かに電子版に乗り換えていますよね。では音楽はどうなんでしょう? ライブは?

ひろゆき もともと“何かに貢ぎたい”層が一定数いて、子育てに向かう人もいるし、アイドルに向かう人もいる。

吉川 CDが売れなくなって、ライブでお金を落とすというスキームはまだ残るんでしょうか?

ひろゆき 自分を捧げることに快感を得る層が今後も支えていくんじゃないかと思います。

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