「今の若手はしくじりもしねえ。芸人の匂いがねえんだ」

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 おっしゃる通り、と賛同したい。そんな落語界で、昭和の落語家のにおいがする馬風は貴重な存在だ。真打ち披露、襲名披露興行で口上に並ぶと、これがまためっぽう面白い。

「まあ、邪道の口上なんだけどね。昭和の時代、幹部落語家の口上はきちんとしてて型通りだった。『至って親孝行でございます』とか、『精進しております』とかさ。それじゃ面白くなくて客席が温まらない。その後に新真打ちが落語をやりづらいだろ。それで、俺が口上を述べる立場になったら、大喜利みたいな笑わせる口上をやろうとかねがね思ってた。客席を沸かせれば後に出る新真打ちがやりやすいと」

 今年の4月、末広亭で三遊亭円歌の襲名披露興行を見たが、その時も馬風は口上で爆笑させた。

「最初は寄席の席亭に、『まともにやってくれ』と言われたもんだが、最近は新真打ちに、『面白い口上をお願いします』って頼まれるようになった。頼まれちゃやるしかねえやな」

 ニヤリと笑った。 =つづく

(聞き手・吉川潮

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