コロナ禍で壊滅の歌舞伎界 團十郎襲名は来年に延期すべき

公開日: 更新日:

無言を貫く日本俳優協会

 外出が自由になってから、一家揃って青山墓地の堀越家(市川團十郎家)の墓参りをすれば、それによって「團十郎の霊」を受け継いで、「團十郎」になったと解釈できる。襲名披露公演をせずに團十郎を名乗っても、詐称にはならない。そして5月に華やかに襲名披露公演の幕を開ける――となってほしい。

 それにしても、歌舞伎役者の団体である日本俳優協会は、今回のコロナ禍について協会としてのコメントを何も発表していない。松竹にしても、公演中止のお知らせをしているだけだ。

 海老蔵だけでなく、坂東玉三郎もオフィシャルサイトに毎月書いているエッセーで近況と現在の思いをつづっているし、ブログを持っている役者たちも、公演中止で芝居ができないことの悔しさや無念さを書いている。だが、それらはあくまで個人としての思いだ。先のことが分からない状態だが、なおさら、歌舞伎界としての何らかのメッセージを出すべきではないのか。

 人間国宝であり芸術院会員であり文化功労者である大御所たちは、演劇界を代表して、この危機において歌舞伎に何ができるか、何をしたいのか、語ってほしい。

(作家・中川右介)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束