著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

深作欣二監督作「復活の日」40年ぶりリバイバル上映の意義

公開日: 更新日:

■「私のプロデューサー人生でもっとも思い入れがある作品」

 当時、日活に在籍したまま製作にかかわった岡田裕プロデューサーは、「製作費は約21億円だった」と言う。「その額でもよくぞ作ったと思うくらい、スケールは大きい。2年間、作品にかかりきりになり、他の仕事は全くできなかった。チリから潜水艦を借り受けるときの苦労たるや想像を絶した。通訳も優秀な人が多く、監督専任はじめ10名ほどいた。私のプロデューサー人生でもっとも思い入れがある作品だ」と話す。

 同時代の中身そのものに即した映画評価も大切だが、時を経たからこそ、新たな魅力、意義深い要素、未来に向けた重要な視点が見えてくる作品もある。「復活の日」は、その1本だと思う。今の日本映画界に何が失われているのか。「復活の日」を見るとそれがよく分かる。壮大にして未来へ突き抜けようとしたかのような映画の先駆性を、今一度、映画館で味わってみたら、いかがなものか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景