著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

芸妓と財界人の醜聞追う先輩に経費が足りないと呼び出され

公開日: 更新日:

 取材で欠かせないのが時間と経費。NHKを見ていると、「1年がかりで密着した」という触れ込みのドキュメンタリー番組がある。それだけ時間をかけた番組は「面白い」し「凄い」と思う。

 半面、「1時間番組のためにそれだけの時間と経費と人を使える。羨ましい」と同業他社の声もある。

 日々起きるニュースと違い、深く掘り下げた話やスクープは一日にしてできる仕事ではない。時間と経費が必要。はたから見れば「羨ましい」と思えることも、当事者にとってはある種のプレッシャーだ。時間と金を使って「ダメでした」はないからだ。

 横領事件で刑期を終えた女性銀行員の独占告白をスクープした先輩記者がいた。告白を取るまでに1カ月余り要した。実家は京都のため近くのホテルに長期滞在。やることは来る日も来る日も毎日、午前中に実家を訪ねるだけだったという。午後からすることがない。京都を散策するなど、ぼんやりした日々は1カ月続いた。

「お話しすることはありません」と家の人に断られる毎日。同じ言葉を聞くために通っていたようなもの。精神的にも過酷な仕事だが、後は根比べだ。ついに相手が根負け。重い口を開いてくれたという。これも時間と経費を使ったからこそできた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾