著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

「闇の将軍シリーズ」主人公は角栄、安倍・菅政治を批判

公開日: 更新日:

 しかし、角栄は長岡鉄道の電化で世話になった佐藤栄作を裏切れず栄作の派閥「木曜研究会」に入ってしまう。それが奏功し7月の第1次岸信介改造内閣で郵政大臣に就任することになるのだ。舞台は、その間の政治家たちの派閥の駆け引きを描きつつ、彼らの素顔に迫っていく。

 軍拡より高度経済成長を唱える池田勇人、ひたすら軍国主義復活を狙う岸信介、兄である岸の後釜を虎視眈々と狙う佐藤栄作、東大卒のエリート官僚・福田赳夫。彼らの暗闘や愛人との房事などが実に巧みにエネルギッシュに描かれている。

 かつての自民党の安定は派閥の均衡によるものだということがよくわかる。

「派閥がなくなったらヒトラー政権と同じになってしまう」というセリフがあるが、権力を集中させた安倍政権、それを継承する菅内閣にそっくり当てはまる。

 第2作「宵闇、街に登る」は総理大臣に就任するまでを。今回初演の第3作「常闇、世を照らす」は「目白の闇将軍」として政界を裏で操っていた時代を描く。


 痛快な角栄物語でありながら、今の不毛な政治への鋭い批判となっている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か