倉本昌弘さん(4)ポパイと呼ばれた筋肉はスロートレーニングで身に付けた
ツアーで30勝を挙げた倉本昌弘さん(70歳)。30勝目は48歳の時でした。見事な記録ですが、「もっと貪欲に勝とうとすれば50勝くらいいけたかもしれない」と言っています。その真意はどこにあるのでしょうか?
◇ ◇ ◇
──もっと勝てたかもしれないというのは、どういう意味ですか?
「貪欲に勝ちたいと思ってやっていなくて、戦いの中にいる自分が楽しかったんですね」
──つまり、死に物狂いでやれば、もっと勝てたと?
「時々、ゾーンに入るっていう選手がいるんです。そうなると、普段発揮できないような力を出す。そういう人と優勝を争うようなときは、“何で俺の時に”って思いますよ。そういう選手も叩き潰すほどの練習をやっていれば、もっと勝てたと思うんですが、私の場合は協会の会長や選手会の仕事とかやっていたんで、叩き潰せなかった。そういう試合が振り返ってみると20試合くらいあるんですね」
──貪欲に勝とうとしていなかったとおっしゃるけれども、倉本さんは身長が足りない分、高校時代から筋トレをしたりして、相当頑張ってこられたんじゃないんですか。
「確かに高校2年から筋トレを始めました。その頃の広島には野球やバレーボールのトレーナーはいてもゴルフのトレーナーはいないわけです。で、最初はボディービルダーの方に教わった。ミスターボディービルと言われた有名な方です。でも、やっているうちになんか違うなと思うようになったんです。僕が目指しているのは柔軟な筋肉なんだけど、ボディービルの筋肉の付け方とは違うんですね。そこで相談したら、“なんだ、そうだったのか”ってすぐにわかってもらった。以後、直線的な動きのトレーニングはやめてゴムを使ったり、フリーウエートでやったりするようになったんです」
──体は変わりましたか?
「変わりましたね」
──手や足の筋肉、腹筋が硬くなるようなトレーニングではないんですよね。
「パンプアップをするようなトレーニングではありません。スロートレーニングが多かったですね」
──ポパイと呼ばれていましたが、それは筋肉が隆々としていたからじゃないんですか。
「違います。ゴルフのための筋肉のトレーニングをそのボディービルダーの方と一緒につくった。それが日本で初めてだったんで、ポパイと呼ばれるようになったんです」


















