著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

「夜空」でレコ大受賞の五木ひろしは野口プロ所属の第1号

公開日: 更新日:

 1973年の大晦日。帝国劇場に詰めかけた2000人超満員の観衆はもちろん、全国のお茶の間の視聴者は、「日本レコード大賞」の発表を今や遅しと待っていた。

 午後8時30分。司会の高橋圭三の手に封が渡された。高橋がゆっくり封を開けて一枚の紙を取り出した。

「第15回日本レコード大賞の発表です」

 場内は暗転、ピンスポットが四方八方に客席を駆け巡ると、ドラムロールの音が響き渡った。騒がしかった場内は静寂に包まれた。

 おもむろに、ドラムロールが止まる。

「今年のレコード大賞は……」

 高橋圭三は一拍置いてこう告げた。

「『夜空』を歌った、五木ひろしさんです!」

 照明は客席の五木ひろしに当てられた。

「おめでとうございます!」

 顔をクシャクシャにした五木ひろしが、よろめくようにステージに上がると、その傍らには親友である大相撲横綱輪島大士、巨人軍のエース堀内恒夫とともに沢村忠の姿があった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景